2021年4月5日月曜日

桑名市博物館・新収蔵品展に行ってきました

久々にブログを更新。
この間、桑名に行ってきましたが、桑名市博物館の新収蔵品展を見に行ってきました。

 

今回はその感想を書いていきます。
写真撮影はNGだったので、文章のみになりますがご容赦ください。

新収蔵品展ということで、近年に所蔵された資料を展示しているんですが、今回の目玉は展覧会の副題にもある通り、立見尚文(1845~1907)の実家である町田家からの寄贈資料。そのため、立見の若年期の資料や立見から町田家あてに送られた手紙が多く展示されており、興味深かったです。

以下、いくつか気になった展示とかをつらつらと。


①山県有朋と立見尚文 官軍・賊軍の双方から見た戊辰戦争
立見尚文といえば、彼の華々しい軍歴の中でも特に戊辰戦争と日露戦争での活躍が有名ですが、今回の展示では戊辰戦争時の尚文が分かる資料がいくつもありました。
当時の写真などもあったんですが、個人的に一番面白かったのが、後年に兄の町田武須計(1838~95)に送った手紙。

休暇中に北越戦争の戦跡を訪ねていた尚文(北越戦争時には奇兵隊参謀の時山直八を討ち取るなど、尚文らの桑名藩兵が大活躍している)。その最中、新潟の鉢崎という宿場町で泊まった時のこと。ふと床の間の掛け軸を見ると当時官軍の将として宿泊していた山県有朋(1838~1922)の書が。

仇守る 砦のかがり かげふけて 秋も身にしむ 越の山風

苦戦の陣中にあっての苦しい胸中を詠んだ山県の和歌ですが、これを見て尚文は手紙に「心窃かに快かりき」と記しています。戊辰戦争の中にあって、官軍・賊軍両方からの心情が読み取れる手紙ということで非常に面白かったですね。

他にも、薩人の後任として参謀長に赴任した際には「愉快」と書き残していたり、賊軍出身だった立見の気概が随所に感じられる展示でした。


②生活感あふれる町田家資料
今回の展示の中核と言ってもいい町田家の資料。かなり一括して寄贈されたようで、色々な角度からの資料が展示されていました。
個人的に面白かったのが町田家の写真類と献立帳。写真類は幕末から明治中後期に至るまで40年ほどに渡っての写真が展示されており、幼児として写っていたのが次の展示では立派に成人しているなど、さながらファミリーヒストリーという感がありました。あと明治期(?)の町田家の献立表もあり、そういうのも生活感があって面白かったですね。


③伊勢の殿様の絵
町田家関連以外の展示としては、面白かったのは増山雪斎(1754~1819)と藤堂高兌(1781~1825)の絵でした。
増山雪斎は伊勢長島藩の藩主で、文人大名として有名なお殿様。藤堂高兌も津藩の藩主として藩政改革を行うなど名君として知られています。
言ってみれば桑名の隣藩の殿さまが描いた絵ということですが、文人大名として有名な雪斎はもちろんのこと、藤堂高兌の絵もなかなかの大作でびっくりしました。写真が上げられないのが残念なくらいです…



④その他、時流を反映した展示とか
ここらへんは時流に乗ってというのか、コレラ予防の通達だったり、大河ドラマで登場していた藤田東湖(1806~55)が書いた祝詞だったりが出品されていました。
あと、印象に残ったこととしてはサブタイトルに色んなネタが散りばめられてましたね。家族写真の展示に「美しい人はより美しく…」とか「同窓会には行けません」とか。こういうの考えるのにも結構な時間割いてるんだろうなぁ…

新収蔵品展ということで、色々とバラエティーに富んでおり、とても楽しい展示でした。
2階の展示品など、紹介しきれなかったものもあるんですが、今週末の14日まで展示の予定なので、都合のつく人はぜひ見に行ってみてください。
以上、お読みいただきありがとうございました。





















2018年2月4日日曜日

2018年の100年前・200年前…ってどんな年?

ブログをリニューアルしたので、2月になりましたがこんなタイトルで書いてみます。

よく「○○から百周年」なんていうのを見たりしますが、今年・2018年の100年前、200年前…というのは何が起こった年なのかを書き出してみました。今回は日本史関連で。

                                     

1918(大正7年)
主なできごと
・鈴木三重吉、『赤い鳥』を創刊(7/1)
・米騒動(7月~)
・西原借款(9/28)
・原敬内閣成立(9/29,初の本格的政党内閣)
・牧野信顕が離日、パリ講和会議へ出発(12/10)

死没
1/3 千家尊福(1845, 出雲大社宮司・貴族院議員)
1/31 朝吹英二(1849, 三井合名会社専務理事、作家朝吹真理子の曽祖父)
2/4 秋山真之(1868~,海軍軍人)
2/10 蜂須賀茂韶(1846~,蜂須賀家当主・徳島藩主)
6/23 井上伝蔵(1854~,秩父事件首謀者の一人)
9/31 大浦兼武(1850~,内務大臣)
11/5 島村抱月(1871~,劇作家)
11/6 出口なお(1837~,大本教開祖)

秋山真之の終焉の地・対潮閣(実業家・山下亀三郎の別荘)跡(神奈川・小田原市)

                                    

1818(文化15年/文政元年)
主なできごと(日付は旧暦)
・イギリス人ゴルドン、浦賀に来航し交易を要求(4月)
・真文二分判金を鋳造(4/16
・渡辺崋山、『一掃百態図』を完成させる(11/13

誕生
2/6 松浦武四郎(~1888,北方探検家)
8/1 伊達宗城(~1892,宇和島藩主)
10/1 元田永孚(~1891,熊本藩士・儒学者)
11/21岩瀬忠震(~1861,幕臣)

死没
4/18 伊能忠敬(1745~,『大日本沿海輿地図』を作成)
4/24 松平治郷(1751~,松江藩主・茶人)
10/6 徳本(1758~,浄土宗の僧)
10/21司馬江漢(1747~,洋風画家)

伊能忠敬の墓(東京江東区・源空寺)


                                     

1718(享保3年)
主なできごと(日付は旧暦)
・小倉藩、萩藩、福岡藩が異国船を撃退(2/15
・琉球の使節が将軍・徳川吉宗に謁見(11/13

死没
4/8 並河天民(1679~,儒学者)

並河天民の私塾・堀木舎跡(京都市)


                                     

1618(元和4年)
主なできごと(日付は旧暦)
・村上藩主村上忠勝、改易される(4/9
・熊本藩家老の加藤正次らが流刑(8/10

誕生
2/15 河村瑞賢(~1699,商人、土木事業者)
5/29 林鵞峰(~1680,儒学者)
・菱川師宣(~1694,浮世絵師)

死没
3/15 酒井家次(1564~,高崎藩主・酒井忠次の嫡男)
5/3 雲谷等顔(1547~,画家)
6/3 鍋島直茂(1538~,戦国武将・佐賀藩祖)

鍋島直茂の墓(佐賀市・高伝寺)


                                     

1518(永正15)
主なできごと(日付は旧暦)
・浦上村宗、赤松義村に背く(7)
・北条早雲、虎の印判を初めて使用(10/8

死没
3/2 景徐周麟(1440~,臨済宗の僧)
4/21 上杉朝良(1473?~,扇谷上杉家当主)

                                     

1418(応永25)
主なできごと(日付は旧暦)
・足利義嗣、殺害される(1/24
・京で大火(3月)
・熊野の社僧、強訴を行い畠山満家軍と交戦(4月)
・近江の馬借が強訴(6/28

死没
1/24 足利義嗣(1394~,権大納言・足利義満の次男)
5/14 足利満詮(1364~,権大納言・足利義満の弟)
8/18 斯波義教(1371~,室町幕府管領)

                                     

1318(文保2年)
主なできごと(日付は旧暦)
・後醍醐天皇が即位(2/26
・後宇多院、二条為世に『続千載和歌集』の撰を命じる(10/30

誕生
・北畠顕家(~1338,公家、武将)

                                    

1218(建保6年)
主なできごと(日付は旧暦)
・北条政子、熊野参詣
・北条政子が上洛(2/21
・延暦寺、博多津と筥崎宮の領有を求めて強訴(9/21
・源実朝、右大臣に昇任(12/2
  
誕生
1/16 九条頼経(~1256,鎌倉幕府第四代将軍)
10/10 仲恭天皇(~1234,第85代天皇)

死没
10/27 長谷部信連(?~,武将、長家の祖)

長谷部信連を祀る長谷部神社(石川・穴水町)

                                     

1118(永久6年、元永元年)
主なできごと(日付は旧暦)
・白河法皇、白河北殿へ移る(7/10
・白河上皇、熊野詣へ出発(閏9/7


誕生
2/10 平清盛 (~1181,太政大臣、武将)
5/24 千葉常胤(~1201,武将)
・西行(~1190,歌人、北面の武士)
 
千葉常胤の像(千葉市)
                                    

1018(寛仁2年)
主なできごと(日付は旧暦)
・後一条天皇が元服(1/3
・藤原彰子、皇太后から太皇太后になる(1/7
・藤原道長、太政大臣を辞任(2/9
・藤原行成、『白氏詩巻』(現国宝)を書写(2/21
・藤原道長、娘の威子を中宮にする(10/16
 →この日の夜「この世をば 我が世とぞ思う…」の歌を詠む

                                     

918(延喜18)
死没
11/3 相応(831~,天台宗の僧、千日回峰行の祖)

                                     

818(弘仁9年)
主なできごと(日付は旧暦)
・長門国司を鋳銭使とする(3/27
・太秦広隆寺が全焼(4/23
・富寿神宝を鋳造(11/1

誕生
・在原行平(~893,公卿、歌人、在原業平の兄)

死没
6/17 玄賓(734~,法相宗の僧)
玄賓が晩年に隠棲した玄賓庵(奈良・桜井市)

                                     

718(養老2年)
主なできごと(日付は旧暦)
・能登国、安房国、石城国、石背国を設置(5/2
・法興寺、薬師寺を平城京に移す
・藤原不比等ら、養老律令を制定


誕生
・孝謙天皇(~770,第4648代天皇)
・大伴家持(~785,公卿、歌人)

                                     


100年前から1300年前まで色々な出来事を書き連ねてみましたが、この中だと米騒動や原内閣成立など、やっぱり100年前の1918年がインパクト強いかも。世界史でいえば第一次世界大戦が終結してますし。

それ以外だと藤原道長の「この世をば…」の歌から1000年というのもちょっと驚きでしたね。
(参考にしたのは手元の日本史辞典とか年表ものとか)



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