この間、桑名に行ってきましたが、桑名市博物館の新収蔵品展を見に行ってきました。
ひさびさの博物館へ pic.twitter.com/5LweKb2w5M
— 南章 (@nan_sho0036) March 25, 2021
今回はその感想を書いていきます。
写真撮影はNGだったので、文章のみになりますがご容赦ください。
新収蔵品展ということで、近年に所蔵された資料を展示しているんですが、今回の目玉は展覧会の副題にもある通り、立見尚文(1845~1907)の実家である町田家からの寄贈資料。そのため、立見の若年期の資料や立見から町田家あてに送られた手紙が多く展示されており、興味深かったです。
以下、いくつか気になった展示とかをつらつらと。
①山県有朋と立見尚文 官軍・賊軍の双方から見た戊辰戦争
立見尚文といえば、彼の華々しい軍歴の中でも特に戊辰戦争と日露戦争での活躍が有名ですが、今回の展示では戊辰戦争時の尚文が分かる資料がいくつもありました。
当時の写真などもあったんですが、個人的に一番面白かったのが、後年に兄の町田武須計(1838~95)に送った手紙。
休暇中に北越戦争の戦跡を訪ねていた尚文(北越戦争時には奇兵隊参謀の時山直八を討ち取るなど、尚文らの桑名藩兵が大活躍している)。その最中、新潟の鉢崎という宿場町で泊まった時のこと。ふと床の間の掛け軸を見ると当時官軍の将として宿泊していた山県有朋(1838~1922)の書が。
仇守る 砦のかがり かげふけて 秋も身にしむ 越の山風
苦戦の陣中にあっての苦しい胸中を詠んだ山県の和歌ですが、これを見て尚文は手紙に「心窃かに快かりき」と記しています。戊辰戦争の中にあって、官軍・賊軍両方からの心情が読み取れる手紙ということで非常に面白かったですね。
他にも、薩人の後任として参謀長に赴任した際には「愉快」と書き残していたり、賊軍出身だった立見の気概が随所に感じられる展示でした。
②生活感あふれる町田家資料
今回の展示の中核と言ってもいい町田家の資料。かなり一括して寄贈されたようで、色々な角度からの資料が展示されていました。
個人的に面白かったのが町田家の写真類と献立帳。写真類は幕末から明治中後期に至るまで40年ほどに渡っての写真が展示されており、幼児として写っていたのが次の展示では立派に成人しているなど、さながらファミリーヒストリーという感がありました。あと明治期(?)の町田家の献立表もあり、そういうのも生活感があって面白かったですね。
③伊勢の殿様の絵
町田家関連以外の展示としては、面白かったのは増山雪斎(1754~1819)と藤堂高兌(1781~1825)の絵でした。
増山雪斎は伊勢長島藩の藩主で、文人大名として有名なお殿様。藤堂高兌も津藩の藩主として藩政改革を行うなど名君として知られています。
言ってみれば桑名の隣藩の殿さまが描いた絵ということですが、文人大名として有名な雪斎はもちろんのこと、藤堂高兌の絵もなかなかの大作でびっくりしました。写真が上げられないのが残念なくらいです…
④その他、時流を反映した展示とか
ここらへんは時流に乗ってというのか、コレラ予防の通達だったり、大河ドラマで登場していた藤田東湖(1806~55)が書いた祝詞だったりが出品されていました。
あと、印象に残ったこととしてはサブタイトルに色んなネタが散りばめられてましたね。家族写真の展示に「美しい人はより美しく…」とか「同窓会には行けません」とか。こういうの考えるのにも結構な時間割いてるんだろうなぁ…
新収蔵品展ということで、色々とバラエティーに富んでおり、とても楽しい展示でした。
2階の展示品など、紹介しきれなかったものもあるんですが、今週末の14日まで展示の予定なので、都合のつく人はぜひ見に行ってみてください。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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